鍼灸治療の詳細

鍼灸治療について

鍼灸治療とは

人間の身体には多くのツボ(経穴)があります。
このツボに対して鍼(はり)や灸(きゅう)を用いて治療することで 「自然治癒力」を高め、患部の治療や病気の予防を行う伝統医学です。
鍼灸治療の適応(効果が期待できる)となる疾患や症状は多くあります

ツボ(経穴)とは

私たちの身体には経絡(けいらく)と呼ばれる気(き)、血(けつ)、水(すい)の通り道が走っています。
この経絡は神経や血流とは異なる通り道で、14本の経絡上にツボが点在しています。ツボの数は全身で361個あります。

なぜ効くの?

ツボを鍼やお灸で刺激することで、その刺激が経絡を通って脳へ伝わると、 脳から全身のあらゆる場所へ信号が送られ、様々な治療効果が現れると考えられています。
最新の研究では、胃の蠕動運動を促進させたり、脳内伝達物質が分泌され痛みを抑制したり、 免疫細胞を活性化させるなどの解明が進んでいます。

トリガーポイントとは

痛みの引き金(トリガー)となる点(ポイント)のこと指し、 筋肉の痛みを起こしている原因部位であると考えられています。
トリガーポイントは、「索状硬結」と呼ばれる硬くなった筋肉の線維の上に存在しています。 このトリガーポイントを押さえると、少し離れた部位に痛みが放散することが特徴です。
トリガーポイントの位置は、東洋医学のツボ(経穴)と71%一致するといわれています。

鍼灸の適応例

アメリカの国立衛生研究所(NIH)が、 鍼灸治療の各種の疾患に対する効果とその科学的根拠、 西洋医学の代替治療として効果について認める声明を発表しました。
鍼灸療法で有効性がある疾患には、以下のものがあります。

神経系疾患

神経痛・神経まひ・けいれん・脳卒中後遺症
自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠
神経症・ノイローゼ・ヒステリー

運動器系疾患

関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症
五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)

循環器系疾患

心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ

呼吸器系疾患

気管支炎・喘息・風邪および予防

消化器系疾患

胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)
胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾

代謝内分秘系疾患

バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血

生殖、泌尿器系疾患

膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎

婦人科系疾患

更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊

耳鼻咽喉科系疾患

中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎

眼科系疾患

眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい

小児科疾患

小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)
小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善

鍼(はり)について

鍼って痛くないの?

「はり」と聞くと痛いイメージがあると思いますが、 鍼の直径は0.12~0.16ミリ程度と太い髪の毛と同じくらいです。 鍼をさされた時は何も感じないか、少しチクッとした感じがする程度です。

鍼で感染の心配はないの?

治療に用いる鍼はすべて完全滅菌されたディスポーザブル鍼(1回使用のみの使い捨て鍼) ですので、鍼から病気が感染することはございません。

灸(きゅう)について

お灸って熱くないの?

「おきゅう」にはヨモギの葉から作られた艾(モグサ)を使います。
お灸は熱の伝え方によって大きく2つの種類に分かれます。
瞬間的に熱を伝えるお灸は、ほんの一瞬の熱さのみで快痛ともいえる心地よさです。
持続的に熱を伝えるお灸は、じんわりと温かさを感じて思わず眠ってしまうような心地よさです。